分布関数と確率密度関数
離散型確率分布と連続型確率分布
離散型確率分布はサイコロの目のように、1、2、3と数字が連続していない(1.1や1.11などがない)場合で、連続型確率分布は、1から6までの乱数のように、離散型と違って、1.1や1.11など連続している場合である。離散型であるサイコロの目の場合、3が出る確率は1/6ように表すことができるが、連続型で3が出る確率は1/6ではない。3の直前には2.9999999・・・と無限に考えられるため1から6までに含まれる数値は無限にある。そのため、連続型で3が出る確率は、「1/∞=0」となる。
離散型確率分布
\begin{align*}
& P(X=x_i)=P(x_i)\\
& i=1,2・・・\\
\end{align*}
をXの確率分布という。
\begin{align*}
&\sum_{i=1}^∞ p(x_i)=1\\
& p(x_i)≧0, i=1,2・・・\\
\end{align*}
このPを離散型確率分布という。
連続型確率分布
微分・積分
分布関数と確率密度関数を理解するためには、高校数学で学習する不定積分と導関数の知識が必要である。計算式は一見複雑だが、それほど難しくない。
不定積分
\begin{align*}
&\int x^n dx = \frac{1}{n+1} x^{n+1} + C\\
\end{align*}
導関数(ある関数を微分して得られた関数)
\begin{align*}
&x^n = n x^{n-1}\\
\end{align*}
試験問題で与えられる次のような前提も理解する必要がある。
\(F(x) =\)
\begin{cases}
0 : x < 0 \\
x^2 : 0 ≦ x ≦ 1 \\
1 : x > 1 \\
\end{cases}
確率密度関数で表すと⇒
\(f(x) =\)
\begin{cases}
0 : x < 0 \\
2x : 0 ≦ x ≦ 1 \\
1 : x > 1 \\
\end{cases}
分布関数
サイコロを1回振った時にそれぞれの出る目の確率は\(\frac{1}{6}\)なので、次のようになる。
サイコロの出目が1以下である確率は\(\frac{1}{6}\)、2以下である確率は\(\frac{2}{6}\)、3以下である確率は\(\frac{3}{6}\)となり、これをまとめたものが次の表である。
累積相対度数と同じ考えである。これを踏まえると、分布関数を理解しやすい。
確率変数\(X\)が\(X≦x\)になる確率
\begin{align*}
&F(x)=P(X ≦ x)
\end{align*}
グラフにすると次のようになる。
連続確率変数・離散確率変数共通
\begin{align*}
&0 ≦ F(x) ≦ 1\\
&\displaystyle \lim_{x \to \infty} f(x)=1、\displaystyle \lim_{x \to -\infty} f(x)=0\\
&F(x)は単調非減少関数
\end{align*}
一様分布(離散確率変数)の分布関数と確率密度関数は次のようになる。
一方、連続確率変数の分布関数と確率密度関数は次のようになる。
確率密度関数
分布関数を微分すると確率密度関数になる。
連続確率変数・離散確率変数共通
\begin{align*}
&f(x) ≧ 0\\
&\\
&\int_{-∞}^∞ f(x) dx = 1 \\
\end{align*}
確率密度関数の計算式
期待値の求め方
\begin{align*}
&E[X] = \int xf(x) dx\\
\end{align*}
分散の求め方
\begin{align*}
&σ^2 = \int (x-μ)^2 f(x) dx\\
&σ^2 = \int x^2 f(x) dx – μ^2\\
\end{align*}
中央値(第2四分位)の求め方
\begin{align*}
&P(X ≦ x ) = \frac{1}{2}\\
&\int_a^b f(x) dx = \frac{1}{2}\\
\end{align*}
第1四分位の位置を\(t\)と置く。
\begin{align*}
&\int_a^t f(x) dx = \frac{1}{4}\\
\end{align*}